プロジェクトマネジメントを(非エンジニア)のスタッフ業務に取り入れてみた #cm_odyssey
総務部門がプロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKを参考に、メンバー間での認識合わせやタスク管理を行ったことで、期限内に・タスク漏れや関係者間での認識齟齬もなく・安定し・目的目標どおりに達成する事ができるようになった話です
出会い
プロジェクトマネジメントに出会ったきっかけは、二年ほど前に、デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン 実践ガイドブックの社内輪読会に参加したことでした。当時はあまり理解できず、自分の業務にどう活かせるのかいまいちピンときていませんでした。
ただひたすら文面を理解することに必死だったことを覚えています。
課題
会社を取り巻く環境は日々めまぐるしく変化しており、総務部門も早急に新規業務立ち上げや業務改善に取り組む必要があります。
しかし、細かい計画を立てることもなく、最初ふわっと降りてきた指示を自分たち目線で理解し動き始めることを繰り返していました。
その結果、以下のような課題に直面していました。
- 関係者との情報共有が十分にできておらず、認識の違いが多く発生
- リーダーが思い描いている期日感と作業者の感覚に齟齬がありタスクが終わっていないという認識のずれが発生
- その場しのぎでタスクをこなしてしまうため、手戻りが発生
- 無計画に進めるため、前半はのんびり、後半は焦るなど気合と根性で乗り越える日々
- 後から変更が続き期限に間に合わないことも多くあり、チームメンバーが振り回され疲弊
そこで、プロジェクトマネジメントのスキルをとりいれることを決意しました。
(そこからはとにかくプロジェクトマネジメントのあらゆる本や動画(YoutubeやUdemy)を見まくる日々でした)
行ったこと
とにかく言語化・可視化
まずは現時点でわかっていること、そして頭の中にあるふわっとしたものをすべて書き出す作業を行います。
とにかくすべて!すべて書き出すことをおすすめします!!ここで書き出しておけば、あれなんだったっけ?など忘れてしまう恐怖からも解放されます。
情報が揃い始めたら、書き出したものの整理を行いより情報を鮮明にしていきます。今度は時間軸、空間軸、人間軸など、様々な軸でプロジェクトを捉え直します。
ゴールから考える
達成すべき目標を考えたら、そこに向かってどう進んでいくかを考えます。ゴールがないと、こんなことできないという思考に引っ張られてしまいます。目印があることでどう登っていくかの1点を考えることが出来るようになります。
プロジェクト憲章の作成
計画を実行するために以下を明確にしていきます。プロジェクトの規模に関わらずこの目線は必ず持つようにしています。
ここで重要なのは、作成して終わりではなく、のちに関係者との共通の地図となってくるので、かならず読み合わせを行います。手戻りが格段に減ります。
- 目的・目標:何のために、誰のために、なぜ行うのか
- ゴールの定義:成功の条件となる具体的な成果、※やらない範囲も明確にする
- ゴールの期日:プロジェクトを完了させる期限
- マイルストーン:進捗確認点、特に抑える必要のある期日
- リスク:予想される問題を事前に把握し、早い段階でその対策を考える
- ステークホルダー:プロジェクトに関わる全ての関係者、役割明確化
- コスト:総務目線で言うと比較表を付けるなどし決裁者が判断しやすくする
- 前提条件:すでに決まっていることを書き出す
- 関係資料集:資料やデータのリンク、slackやり取り部屋名(情報迷子にならないようにする)
ステークホルダーとの関係作り
プロジェクトに関わる人すべての役割を明確にします。そして、各ステークホルダーの目線に立ち、要求事項を早い段階でキャッチしておきます。作業内容を把握することで必要な情報を早く共有でき、お互い焦らず行動できます。とにかく良好な関係をきづくことがとても重要です。 また、「やりなおし」を減らすことができます。
コミュニケーションルールを決める
例
- 7/5までに○○さんにレビューをもらう
- 毎週月曜日に進捗確認MTGを行う
- このslack部屋でやり取りを行う
- 進捗確認はこのツールを使う
これらを決めることで、情報が集約でき情報迷子にならない、また上司との目線合わせが可能になり後追いの手間がなくなります。
想定していなかった効果
プロジェクトマネジメントのスキルを取り入れることで、私たちの業務はより効率的かつ効果的になり、より高い成果を出すことができるようになりました。
- プロジェクト計画書という共通の地図があることで、少数精鋭でもスピードをもって必要な事柄を把握し進めていける体制をとることが出来た
- 目標達成への道しるべができることにより、不確かなものが見える化され、それだけで心理的な安心感を得ることができた
- ★誰かが答えを持っているのに迷う時間★というのは本当に辛いものがあるが、最初から詳細が見えているので、精神的にも楽になった
- チームメンバー間での認識合わせが容易になり、全体像の把握から始めることで、その後は集中してタスクに取り組むことが可能になった
- 初期段階で全体像の把握を行えると、後はチームメンバーが自走してくれるため、フォローの工数も減らすことができた
最後に
何も知識がなかった私ですが、プロジェクトマネジメントのスキルは本社移転や、全社会議、オフィス活性化などのプロジェクトにとても役立ちました。(この話は近々、総務がプロジェクト計画書を作ってみた!的なブログを書きたいと思います)
これがきっかけで、会社の横断組織も兼務して、ホームページリニューアルのプロジェクトサポートにも入っています。
二年前の私はこんな未来が待っていると全く想像もつかなかったと思いますw
非エンジニアでも使える領域たくさんあると思いますので、チャレンジしたい方、既に挑戦されてる方の参考になればと思います。
バックオフィスメンバーがイベント登壇します
今回、私の日頃の取り組みをブログにて紹介させて頂きましたが、そんな私が所属するバックオフィスメンバー達みんなでクラスメソッド20周年記念イベント『Classmethod Odyssey』にて日頃の取り組みなどについて発表を行います。
セッション内容は以下の通り。
- 登壇日時: 2024年07月29日(月) 17:10 - 17:50
- 登壇イベント:Classmethid Odyssey ONLINE(オンライン配信イベント)
- 登壇セッション情報
- タイトル:クラメソのバックオフィスDXの紹介
- 登壇者:アノテーション株式会社 取締役 代表取締役ほか 渡邉聖ほか3名(バックオフィス語り隊)sa
- 概要:
- クラメソのバックオフィス改革についての主な取組み(課題、解決策、定量的効果など)
- 組織体制(規模10倍でも人数増やさず…、キャリアラダー)
- 今後の取組みや方向性についてなど(IT/AI関連中心に、人に対するサービスも)
以下イベントレジストのサイトにアクセス頂き、該当セッションを選択の上お申し込みください。
皆様のご参加をお待ちしています!
おすすめ書籍
チームメンバー内にプロジェクトマネジメントを浸透させるために参考にしたのが、「10歳からのプロジェクトマネジメント」という本です。
わかりやすくイメージできる例が多く、計画の大切さをチーム内に伝えるときに役立っています。
プロジェクトマネジメントの基礎を学ぶ入門書として分かりやすく、プロジェクトを円滑に進めるためのヒントが満載でおすすめです。
Amazon.co.jp: 10歳からのプロジェクトマネジメント: 夢・目標をかなえる力がつく! (くもんこれからの学び) : 伊藤 大輔: 本
アノテーションについて
アノテーション株式会社は、クラスメソッド社のグループ企業として「オペレーション・エクセレンス」を担える企業を目指してチャレンジを続けています。
「らしく働く、らしく生きる」のスローガンを掲げ、様々な背景をもつ多様なメンバーが自由度の高い働き方を通してお客様へサービスを提供し続けてきました。
現在当社では一緒に会社を盛り上げていただけるメンバーを募集中です。
少しでもご興味あれば、アノテーション株式会社WEBサイトをご覧ください。